古いお家をリノベーションしたい!新しい感じはいや!っと
物件探しからスタートしました。
好立地な場所にこの広さとそして値段(秘密)は古いものを買う人だけに与えられるものです。
今回は大幅な間取りの変更、バルコニー部分をつなげる、下水工事のやりかえなど大掛かりのリノベーション。
お客様がこだわった間取りや素材感をどう表現し施工していくか、今回のテーマでありまた難題でもありました。
玄関/ガレージ/階段
もともと1階は表具屋さんが使っていたスペースと仕切りにアルミの自動ドアがあり
壁、天井、自動ドアすべて撤去し、コンクリートむき出しの状態にしました。
新しく間仕切りをつくり、駐車場(2台分)と玄関スペースをとりました。
玄関ドアはJICCAオリジナル!表面の材は楢のアンティーク加工されたものを使い鉄屋さんに作ってもらったアイアンのハンドルを取り付けました。家の顔だけにここは妥協せず、こだわりの作品に仕上がりました。
横に明かり窓を入れ、その下にはポスト。
お気に入りのポストっとなると高いので、ポストシューター(表面の入れる口)のみを取り付けシンプルに。
お客様がこだわった土間の通路には子供が帰ってきて手が洗えるように手洗い器を設置。
もともとトイレに付いていたもので、石鹸置きなどがあるアンティークな手洗い器を再利用。
ガレージから自分たちが出入りするためのもう一つのドア。
無垢の既成のドアを真っ黒に塗り、ペンキが剥がれたりと年々いい味出してくれることを願います。
そして悩みに悩んだ階段!最初は全部壊してやり変えようっという案もありましたが、やっぱりあるものを活かしてリメイクすることに決めました。左官屋さんに成型してもらいアイアンの側板や手すりを取り付けました。家の中の階段なので木のイメージがあった方がいいと、踏面のみ、突板使用のフロアータイルを貼りました。モルタル色といいバランスです。
そして間仕切りには明かり窓の代わりに昔の建具を再利用しました。壊す前にこの建具かわいい!どこかで使いたい!っとお客様のご要望があり、いろいろ考えた結果、ここに来ました。 古いもの好きにはたまらなくいい感じです。。
サービスルーム/トイレ/パントリー
1Fは玄関と車庫だけではございません。
奥にも広いスペースがあります。ここは旦那様担当の秘密の場所。
タバコが吸えたり、男だけの秘密の話や仕事や趣味のスペースにしたりと男ならだれもがうらやましいお部屋です。
その名もサービスルームです。
もともとあった狭いトイレは狭いトイレになりました。和式の便器や段差を撤去し洋式に。タイルの感じも平滑にしてペンキ仕上げ。
古いクロスが貼っていた壁もツートンのペンキ仕上げに。床は昔のコンクリート感にクリアー仕上げ。
なんと!お客様ご自身で昔のクロスや床を剥ぎました。お手伝いの仲間たちを含めお疲れ様でした。
奥のガラス引き戸の向こうは小さいミニキッチン。昔のをそのまま再利用しました。
お客様が来てもお茶を出したりちょっと料理などなど最適の場所です。
石で囲まれたところは昔鯉が泳いでいたそうです。使い道がなく取りあえず排水をつくりコンクリートを打ちました。
昔の建具枠の風合いやほぞの後、床の荒いところなどなど雑な感じが男心をくすぐる秘密の部屋ができました。
リビング/ダイニング
メインのリビングダイニングです。
リメイクされた階段を上ってくると正面に来る壁。ここは普通ではおもしろくないとPタイルを貼りおしゃれなトグルスイッチを取り付けました。カチッカチッっという音がたまりません。
昔あった和室や仕切りはすべてなくなり、一つの広いリビングダイニングスペースに。
壁一面にあった大きい窓。ここだけは機能的にしよう!っということでカバー工法にてペアガラスのサッシに入れ替えしました。
床は古っぽく着色されたカバの無垢フローリング。適度な硬さと広葉樹ならではの木目が全面に敷き詰められました。
そしてメインのキッチン!
オールステンのバイブレーション仕上げ。そのメーカーにしかない巨大な3Dシンク。水栓2個って。。
シンクの天板を作業台として使えるので、W2440と少し小さめのキッチンですが作業もはかどり他のスペースも広くとれます。
また奥に続く洗面スペースへの動線も含め、お客様のこだわりが部屋全体の主役になってくれました。
キッチンの床はタイル貼り。掃除のしやすさや意匠的なものを優先し、冬は冷たいでしょう。。
3Fに続くOPENな階段。アイアンの側板と無垢のカバを荒く仕上げた踏板。素材にこだわった階段もまた部屋を引き締めてくれます。
木の素材感や色のバランス。仕上げの荒々しさなどけしてきれいな感じに仕上げてはいけない!っとお客様の風合いへのこだわりが詰まった素敵な空間になりました。
洗面室/トイレ/風呂
お風呂やトイレは毎日使うもの。
だからこそきれいで機能的なものにこだわりたいものです。
洗面所はJICCAオリジナルの洗面台。病院でつかうような流しを設置しすごく広く、赤ちゃんのお風呂にできそうです。
トイレに入ってまず見えるのがすごく邪魔でだれもがつっこみたくなるような柱。構造上どうしてものけることができず、名残りとして残そう!っとなりました。トイレの向こう側はエコキュートが置いてありオール電化のお家になりました。
お風呂と脱衣スペースは限られた間取りの中に納めなければいけなく、お客様とすごく悩みました。
収納スペースなども取りたかったのですが、お風呂も狭くしたくないので思考錯誤して、壁もできるだけふかさず最大限広く取りました。
お風呂は酸素美泡湯を採用。シンプルできれいなお風呂が入りました。毎日の疲れを癒して下さい。
廊下_家事室_バルコニー_寝室
もともと二つに分かれていた建物でしたが、つなげて一つの空間にしました。
通路にはトイレとお風呂の建具が並びます。
無塗装で無垢の建具を選び、お客様のお好きな色に染めました。
木の色もいいですが、ペンキで塗りつぶしもアクセントになりとてもいい感じです。
その通路の奥は家事スペース。洗濯機と洗濯干し場、そして家事スペースが3角関係になっており最高の動線になりました。
20cmほど下がっていたバルコニーもウッドデッキを取り付け室内の高さと近い高さにしました。
ウッドデッキは下にごみがたまっても掃除できるように両サイドが開けれるようにしました。
バルコニーも雨漏りがすごかったのですがしっかりと防水をして、排水も作りました。
寝室は昔の床がかわいかったのでそのまま採用。壁と天井のみやり替えました。もともと押入れだった半畳間のスペースも簡易的なクローゼットに。
ワークスペースも寝室もこれからお客様がカーテンや仕切りなどで工夫して作っていくそうです。
家具
今回のJICCAの家具はキッチン収納、洗面台、玄関ドア、他棚を製作させていただきました。
テーマは荒々しくつるつるしてない!っというご要望。
無垢の洗面台はカバ材を使用。木材もきれいになるまでプレーナーをかけず、削り跡が残る程度に仕上げました。
杉や松のような木は使わず、床材に合わせカバ材を使用。やはり同じ着色でも風合いがぜんぜん違います。JICCAらしい家具ができました。
キッチン収納はキャビネットと吊戸棚をわけるのではなく一体化し、食器を置く棚を少し奥にいれることで取りやすく、食器の見栄えがいい造りに設計しました。
壁のアクセント壁もいい感じです。
ルーバーの折れ戸はお客様のこだわり。通気性もよくいいバランスで溶け込んでおります。
玄関ドアもオリジナル。木の玄関ドアは高価でなかなか手が出ない。
っとうことで作りましょう!っとなりました。断熱性や気密性は高価なものには劣りますが、風合いや質感などは抜群の出来です。。
その他
リノベーションだからこそできる、古いものを使うこと。
古いものをどうリメイクするかそのまま使うかなどなどお客様によって様々ですが、使えるものは使った方がお得なのです。
昔の建具も使えるものはペンキを塗ったり傷んだところはちょっと工夫したりと再利用。
錆た照明も色を塗ったり、昔のアンティーク家具も気に入ったものは使うなどして費用を抑え、こだわるとこに妥協はしないからこそ全体的なバランスや、デザイン性に魅力が増してきます。
ガタガタの壁もそのまま残し、昔の電気BOXなども飾りですが、あるだけで壊す前の名残りも楽しめます。
黒好きのお客様。
昔のシルバーのサッシは黒くしたりアイアンをたくさん使ったり、新しくする照明などすべて黒にこだわり壁や床の色といいバランスで配置されました。
ありがとうございました。
JICCA 藤村